増資の種類

変更登記ひとりでできるもん
お問合せ
03-5954-3900
平日9:30~18:30

増資の種類(株式会社)

ここでは、「増資」にはどのような種類があるのかを見てみましょう。

増資は、まず大きく分けて、
◆有償増資
◆無償増資
に分かれます。

≪有償増資≫
外部(投資者など)から資本の払込みを得て新たに株式を発行し、資本金を増やすことです。
例えば、設備を購入、設置するお金が足りない、営業を続けるためのお金が足りないという時に用いられます。
また、借入金が膨らんでしまい、資本構成(自己資本と他人資本の構成)が悪くなってしまったときに用いられることもあります。
「増資」で得た資金は「自己資本」となり、株式会社のお金となります。

銀行借入(融資)や社債発行などによる資金調達は、元利金(元金と利息)を返済しなければなりません。
(←借りたものは、返す、ということです。)

一方、有償増資(新株発行の場合)は、調達した資金を返済する必要がありません。
(←出資をしてくれた株主にとって、会社は自分たちの持ち物といえますので、借りたものを返すという概念が存在しません。)

(※)株式分割などのときにも「新株」は発行されますが、増資が伴わないこともありますので、増資=新株発行とも限りません。新株発行は大きなくくりで、その一種として有償増資が含まれるというイメージです。

有償増資には、
① 株主割当増資
② 第三者割当増資
③ 公簿増資
の3種類があります。
それぞれについて詳しくは、後述いたします。

≪無償増資≫
有償増資とは違い、投資家からの払込みはありません。
① 未処分利益(株主総会決議により利益処分対象となる利益金額のこと=繰越利益剰余金)を資本金に組み入れる方法
② 借入金を資本金に組み入れる方法 (←通称DESと呼ばれています。)
の2種類があります。
株式会社(自分の会社)の他の資産を振り替えて(対価とし)新株を発行することで、資本準備金や利益準備金を資本金に組み入れて新株を発行するのです。
発行した新株は、既存株主に割り当てることになるので、既存株主に利益を与えることになりますね。(配当据え置きの場合ですが)

【補足】
「増資」とは反対に、資本金を減らすことを「減資」といいます。
会社には税法上、資本金の額によってさまざまな制限があり、資本金の額が少ないほどさまざまな税法上の特典を受けられるようになっていますので、その会社の現状に合った資本金に改定することで、その税法上の特典を受けられることにもつながります。
実施するには株主総会の特別決議が必要です。
資本項目の変更だけの形式的なものと、資本金の減少と同時に資産も減る実質的なものとがあります。
前者は欠損の穴埋めなどに利用され、後者は事業部門を分離したときなどに過大資本の是正のため実施されることが多いです。
この「減資」を行う場合も、増資と同様、変更登記の手続きを行う必要があります。

株式会社の変更登記・その他の事例