株式会社の増資

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資本金を増やした場合(株式会社)

増資とは?

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株式を新たに発行し,出資を受けて,会社の資本金を増やすことを「増資」といいます。資金調達のひとつの方法として,増資を行うことが可能です。

 

会社の資金が不足すれば,外部から資金を調達することになりますが,調達する資金は,融資・借り入れによることが一般的です。この外部機関からの借り入れのほかに,資金調達の方法として,出資を受けて会社の資本金を増やす「増資」という方法があります。

これら増資によって得た資金は,一般の融資とは異なり,返済する必要はありません。

増資手続きの大まかな流れ

株式譲渡制限会社の場合における,増資手続きの大まかな流れは次の通りです。

STEP01:株主総会決議で募集株式発行を決定
STEP02:株主に増資(募集株式発行)の通知
STEP03:株主からの申込み及び出資金の払込み。現物出資の場合は引渡し
STEP04:管轄の法務局にて資本金額・発行株式数の変更登記

発行可能株式総数に注意!

増資とは,株式を発行することによって資本金の額を増加させる手続きを言いますが,この際には「発行可能株式総数」に注意する必要があります。

発行可能株式総数とは,その会社が株式を発行することができる総数を言います。会社の定款または登記簿謄本により,その会社の発行可能株式総数が確認できます。

この発行可能株式総数を超えて増資(株式の発行)はできません。したがって,増資手続きを行う前に自社の発行可能株式総数を確認する必要が出てきます。

増資後の資本金の額が発行可能株式総数の枠内であれば,すぐに増資手続きを進めることが可能です。そうでない場合は,増資手続きに入る前に発行可能株式総数変更の登記を行う必要があります。

デット・エクイティ・スワップ

1.デット・エクイティ・スワップとは

株式会社が増資をする場合,出資は金銭で行うことが原則です。株式の引受人は金銭を出資することに替えて,会社に対する貸付金などの債権で相殺することは禁止されています(会社法208条3項)。 

しかし,財産内容及び価額を募集事項決定の際に会社が決議した場合には,不動産等の金銭以外の方法で出資することも認められます(会社法199条1項3号)。このような金銭以外の方法で出資することを,現物出資といいます。

現物出資では,会社に対する貸付金ですることも可能です。このように金銭債務を株式化することをデット・エクイティ・スワップ(以下「DES」といいます。)といいます。

2.DESのメリット

DESのメリットは,金銭債務を株式化することで,貸借対照表の負債が減少し,その分資本が増加する点にあります。 

貸付金であればいずれ弁済しなくてはなりませんが,株式化をすれば,弁済する必要がなくなります。但し,DESを行った場合,当該金銭債権者に株式を与えることになるので,従前の債権者が経営に関与することになります。 

したがって,債権者が第三者の場合は,注意が必要です。DESによって多量の株式を与えることになると,経営権を取られてしまう可能性があるからです。この点,当該債権が社長の会社に対する貸付金の場合には,社長の株式が増加するだけなので問題はありません。 

3.DESの手続き

会社法の施行によって,手順が大きく変更されました。 

DESを行う場合には,500万円を超える金銭債権であっても,総勘定元帳など当該金銭債権の金額・債権者名が記載してある会計帳簿を登記申請書に添付するだけでOKです。会社法施行前に要求されいていた検査役や弁護士等の証明が不要になりました(会社法207条9項5号)。 

但し,
・債権の弁済期が到来していること
・株主総会で決議した当該金銭債権の価額が負債の帳簿価格を超えないこと(会社法199条1項3号)

が必要です!注意してください。 

しかしながら,弁済期が未到来であっても,期限の利益を放棄すれば登記申請は可能です。また,会社に対する金銭債権であれば,貸付金でなくても可能です。

増資に関する登記費用

費用11,000+登録免許税30,000円又は増資額の1000分の7の高い方
500万円以下の現物出資に完全対応!
会社への貸付金を資本金にすることも可能です。

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